![]() | ||
![]() | ||
辻原 登
|
![]() |
|
![]() | ||
穂村 弘
|
![]() | |
![]() | ||
角田 光代
|
![]() | |
![]() | ||
文部科学省初等中等教育局主任視学官
清原 洋一 |
![]() | |
![]() | ||
全国高等学校長協会
角 順二 |
![]() |
![]() 優しく肩を組んで ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
『ゼノフォビアと難民問題』(武田萌)。 |
![]() 見える問題と見えない問題 ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
『ゼノフォビアと難民問題』では、現在の世界における大きな問題を取り上げている。留学後の再読時には、「以前は気にも留めなかった言葉」が強く意識されるようになったという。また、それについて作者は「個人としてではなく、まとめてよそ者として扱われる」と自分自身の言葉でまとめている。留学と読書という二つの体験が思考によって血肉化されているようだ。最後に民族間の意識の壁が乗り越えられた例として、「ストリートサッカーチーム」のエピソードが語られていて考えさせられる。世界の全員が参加できるサッカーチームは、どうしたら作れるのだろう。 |
![]() 読んで考える、考えて読む ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
武田萌さんが『路上のストライカー』を読み、『ゼノフォビアと難民問題』で取り上げた主題は非常に今日的な問題である。この本との出会い、自身が住む沖縄での見聞、短期留学先での体験、そうしたものが、移民や差別といった大きな問題を、武田さん個人に、より身近なものにしたのだろうと思う。それだけこの文章には説得力がある。ここにまとめたよりもっと多くを武田さんは考えているだろうし、今後も考えていくことになるだろう。そのことをとても頼もしいと思う。 |
![]() 心を磨き、豊かな人生を! ![]() |
![]() |
文部科学省初等中等教育局主任視学官 清原 洋一 |
![]() |
今年の最終審査に残った十五作品、いずれも読書を通して深く考え、心や行動が様々に変化している様子が描かれています。そればかりでなく、それらを素直に上手に表現していて、心にすんなりと入ってくるすばらしい作品ばかりでした。 |
![]() 体験と深化 ![]() |
![]() |
全国高等学校長協会 角 順二 |
![]() |
『ゼノフォビアと難民問題』(武田萌)は、『路上のストライカー』の読書体験記で、実際に自分もスウェーデン留学中に難民の男の子と友達となったが、自分の中に難民をよそ者と認識し、嫌悪感をもっている意識があることに気づき、そこから難民問題について考えを深めていく過程が書かれている。「違う民族同士が共に生きていくのはそんなに難しいことなのだろうか」「根本的な原因は相互の不理解なのではないだろうか」と問題提起をしながら、本の内容と自分の体験から、「様々な人種が共生するための糸口」を提示していく。そして、重要なことは、「『難民』というくくりで彼らを見」ることから、難民を「一人の人間として見る」ことへの「変化」だと指摘をしていくが、それが自己の体験と本の中で描かれている「事実」を根拠にして導き出されていることもあり、読む人も十分納得できる内容となっている。 |
(c)SHUEISHA Inc. All rights reserved. |